新製品が出ると、つい欲しくなるのが人の性。
それ自体は悪いことではないが、
要らなくなって捨てられる製品のなかには、
金・銀・プラチナなどの希少な金属(レアメタル)が
たくさん含まれていることを、きみは知っているかい?
日本では年間約64万トンの小型家電が捨てられている。
そのなかに含まれる希少金属をすべて回収すると、その額は844億円にも及ぶ。
しかし今の日本で再資源化できているのは、そのうちのたった20億円なんだ。
この事実を知って、何もせずにいられるかい?
小型家電だけではない。金属資源を含む廃棄物は他にもたくさんある。
それらは、資源の宝庫「都市鉱山」。
都市鉱山を掘り起こして、日本を世界有数の資源産出国にしようじゃないか。
そのためには、技術の進化が必要だ。
人間が生活をしていくうえで、天然資源の消費が止まることはない。
そして資源消費量は、豊かな生活を支えるために増え続けている。
40年で10倍。
これは日本で消費される天然資源の増加率だ。
しかし、日本の自給率はわずか4%と、世界でも最低水準。
このままでは、地球上の天然資源が底をついたと同時に、
日本での安定した生活は終わりを告げてしまう。
なんともお先真っ暗な話だが、明るい話題もある。
それが、廃棄物エネルギー。
人々が豊かに生活し、産業活動が続く限り、廃棄物もまた排出され続ける。
この廃棄物を資源に変えようという取り組みが、国をあげて始まっている。
どうだい、エンジニア魂に火がついただろう?
もちろん簡単ではない。だからこそ、おもしろい。
最初の東京オリンピックが開催された1964年。
それに合わせて、大規模なインフラ整備が行われた。
高速道路、地下鉄、新幹線、建築物……。
それらのインフラは、
オリンピックが終わってからも日本の高度成長を支え、
今ではきみたちの生活に欠かせないものになっている。
しかし、多くのインフラが、そろそろ寿命をむかえつつある。
加えて、2020年に控える2度目の東京オリンピック。
天災の被害でダメージを受けた地域の復興。
日本各地では今、高速道路や橋梁などのインフラ整備が急ピッチで進んでいる。
さあ、エンジニアの出番だ。
アスファルトを製造するときの消費エネルギーを、いかに抑えるか。
古くなったアスファルトを骨材※として再利用できないか。
インフラづくりでは、破砕と選別の技術が試されている。
※骨材…コンクリートやアスファルト混合物を作る際に用いる砂や砂利のこと
近畿工業は創業以来変わらない「開発志向型企業」
だからこそ明日を支えるエンジニアが活躍できるんだ。
美しい地球を未来に引き継ぐためには、廃棄物の適正な処理やリサイクルを促進し、環境負荷の少ない「循環型社会」をつくっていくことが重要です。その課題解決に、環境ビジネスが果たす役割は小さくありません。
その証拠に、環境ビジネスの市場規模は今や100兆円を超え、さらに拡大し続けています。時代とともに変化し、決してなくなることのない廃棄物。新しい技術を生み出し続けることで、人々の生活を守り、地球を守る。それが、私たち近畿工業の使命です。
近畿工業が、廃棄物処理装置を作り始めたのは1970年ごろ。高度経済成長に伴い、ゴミ問題が顕在化した時代でした。もともと砕石用クラッシャーなどを手掛けていたこともあり、頑丈な製品として広まりました。その後も、お客様ニーズをとらえた製品を次々に開発。創業以来65年間でおよそ100種類の製品を生み出し、環境機器分野のリーディングカンパニーへと成長しました。
研究開発は、近畿工業の生命線。2014年に、近畿メカノケミカル研究所を設立し、物理的作用に化学的アプローチを加えた、未来のリサイクル技術の開発に取り組んでいます。また、これからの時代、環境機器にも自動化や省エネ、IOT、といった最新のテクノロジーが求められます。いろんな分野の知識や技術を融合させることで「砕く・剪る・選ぶ」というコア技術を磨き続け、近畿工業はこれからも挑戦し続けていきます。